特徴: | ヒメクボガイはラテン名: Chlorostoma rustica、和名俗称:姫久保貝、馬蹄貝、クマノコガイ(熊の子貝)、メッカリ。殻高約2.5cm。臍孔は狭く開き、その周囲は白い滑層でぬられている。裏側は白磁を思わせ、先端に丸い三角錐をしている。成貝は殻高・殻径とも35mmに達するが、15~30mmほどの個体が多い。貝殻はやや丸みを帯びた円錐形で上面に細かい成長肋が斜めに走るが、ほぼ平滑である。殻上面の色は一様に鈍い黒で、個体によっては褐色や緑色を帯びる。ただし海岸に打ち上げられ日光や波浪に晒された死殻は灰色や紫褐色に褪色する。さらに表面の磨耗が進むと弱い光沢のある真珠層が現れるものもいる。若い個体は螺塔が低くそろばん珠のような外見で、殻上面に2本の螺肋がある。成長すると螺塔が高くなって円錐形に近くなり、螺肋もなくなる。殻の底面は上面よりもいくらか白っぽく、特に殻口周辺は真珠光沢も出る。殻底中心部は緑色か橙色を帯び、クボガイ属に共通する特徴を示す。臍孔はくぼむが、はっきりとした孔は開かない。蓋は革質・多旋型で褐色をしている。和名は殻上面の質感がクマの毛皮を想わせることに由来する。 |