特徴: | イボダイはラテン名: Psenopsis anomala、俗称:疣鯛、エボダイ(東京、神奈川県、静岡県)、メダイ(伊豆諸島)、アゴナシ(銚子)、ヨヨシ(宮津)、ウオゼ(大阪)、ウボゼ(関西・四国)、ボウゼ(徳島県)、シズ(愛媛)、アマギ(八幡浜)、バカ(高知)、クラゲウオ(兵庫県・広島県の一部)、シス(広島市周辺)、ナッカン(下関)、シュス(下関)、モチノウオ(福岡市)、モチウオ(長崎県)、ギチ(熊本)、コタ(鹿児島)など。成魚は全長30cmに達するが、漁獲されるのは20cm前後のものが多い。体は楕円形で側扁し、体高が高い。口吻は尖らず、頭部は丸い。体色は鈍い光沢のある銀灰色で、鰓蓋の上に褐色の斑点が一つある。和名「イボダイ」はこの斑点を灸の跡(いぼお)に見立てたものである。全身は細かい円鱗に覆われ、側線鱗数は55~65枚に達する。鱗は剥がれ易いが、体表からは多量の粘液が分泌される。背鰭は1基のみで、棘条はあまり発達しない。側線は体側を湾曲して走るが、側線と別の葉脈状の線が側線の下にある。食道の左右に食道嚢がある。産卵期は4~8月(盛期5月)で、東シナ海では南部の大陸沿岸に産卵場があると推定され、分離浮性卵である。稚魚は海洋表層を遊泳、クラゲ類の触手付近で生活し、敵から身を守る。成長すると海底付近に移り、1年で約13cm、2年で18cm、3年で20cmほどに成長する。 |