特徴: | ヨメガカサ(嫁が笠)はラテン名: Cellana toreuma、俗称:ヨメノサラ、ボベサラ、べベガイ。多くの海岸性腹足類に見られるように、満潮時と干潮時はほとんど動かずじっとしており、その間の波が岩場を洗う時間帯に動き出し、摂餌活動を行う。成体は殻長3~4cm程度だが、稀に殻長6cmに達する個体も見られる。貝殻は前方が狭まる楕円形だが縁に大小の凹凸があり、きれいな楕円形の個体は少ない。殻頂は体の前方に寄るが、殻高は数mm程度にとどまり、カサガイ類の中でも比較的扁平な殻をもつ。但し波浪の強い海岸では殻長が小さく、殻高が高くなることが知られる。殻の表面は深い放射肋を刻み、肋の上に大小の顆粒がある。模様は薄黄色地に斑点、放射状に茶色の帯が複数入るなど変異に富む。アオサ等の多い環境ではこれらの藻類が付着することも多い。一方、殻の裏側は真珠光沢があり、いくらか黄色を帯びる。 |